『曽我部恵一BAND』

travelation2007-03-08

新人さながらエネルギーを爆発させているバンドのフロントが、実は10年以上のキャリアを持っている男であるという事実。
甘美なメロディと粗暴なロックンロールという矛盾する要素を混ぜ合わせられるバランス感覚を持っているという事実
クソにクソを塗るような世界に生きるオーディエンスを「愛と笑いの夜」で包み込む魔法を持っているという事実。
そんな事実に含まれている奇跡を僕は目の当たりにして、「カリスマ」とは曽我部恵一のような人物を言うのだなと思った。
社会学の祖、マックス・ウェーバーを援用すれば、カリスマとは「横の力」ではなく「縦の力」を持っている人を指す。
「横の力」とは金、名声、お洒落、男前などなど。「縦の力」とは「横の力」では還元できないもの。
つまり貧乏でも、地位もなくても、ださくても、不細工でも、人々を惹き付ける力を持っている人こそ「カリスマ」という。
その力とはその人自身しか出せない入れ替え不可能なエネルギー。そして記号をとっぱらっても残るエネルギー。
曽我部恵一のエネルギーはやはり「カリスマ」性があった。ビビった。シビれた。
そして向井秀徳が切り取る「都会のリアリティ」やBOSSが紡ぐ「自分のリアリティ」をひっくるめながら、
その先へ導く「他者へのリアリティ」を提示する歌詞が、ものすごくカリスマティックロックンロールだなと思う。
その理由は彼の最新作『LOVE CITY』に描かれているので購入を。「冷凍都市」を「愛の都市」に変えようとする気概に拍手を。

『テレフォンラブ』 祭り囃子です。
http://www.youtube.com/watch?v=7gQXwGEyItA

『White Tipi』 エロティックです。スギウラムがチラリ。
http://www.youtube.com/watch?v=7gQXwGEyItA