『LIFE STORY/THA BLUE HERB(2007)』

http://www.youtube.com/watch?v=NtxoRjU0DvE
フジロックの伝説がレッチリやレイジでもなくブルーハーブということが上記URLから分かると思う。
さらに言えば日本人の日本人による日本人の為のヒップホップ、つまり「言葉」の音楽がどういうものか分かると思う。
もう一つ言えばアメリカナイズドされた成り上がり系やOLの癒し系やカラオケで盛り上がるためだけのセイホー系がどれだけ「言葉」というヒップホップの一番大事な要素を蔑ろにして安っぽくしているか分かると思う。
さて、何故ヒップホップが「言葉の音楽」かという事は割愛し、どのような言葉が日本のヒップホップなのかをこのALと考える。
成る程、向井秀徳も影響されたようにストリート(ゲットー)に根ざした自分の周りの「言葉」なのだ。
それは分かりきった不条理を謳うのではなく、安直なデカダンスニヒリズムを描くのではなく、盲目の幸福や笑いを奏でるのではなく、自らの体内の毒と向き合いながら人とコミュニケーションする「言葉」。
サイケデリックでドープなビートに乗っかったそんな「言葉」は否が応でも自らの日常に突き刺さる。それを受け止める。
そうすればオリエンタル・アンダーグラウンドレジスタンスのプライベート・アーミーのメインラインが見える。
ヌルい馴れ合いに依存するよりサイの角のようにただ独り歩む勇気を持つ事から「MOTIVATION」は上がるのだ。
お、今読んでいる『反転するグローバリゼーション/鈴木謙介』 のはじめに一行、偶然にもブルーハーブの言葉が記されていた。
「人間らしさに全てをかけた革命は結局その人間らしさに負けたんだ」と。