OBLIVION BALL

travelation2007-11-19

今週末はダンス・ミュージック&アートイベント「OBLIVION BALL」が開催。Underworldを含め、まさにダンス・ミュージックの歴史を辿れるラインアップ。

今、予習のためUnderworldのLive CD「Everything Everything」という文字通りダンス・ミュージックの”すべて”を教えてくれる名盤を聴いている。

やはり「Born Slippy」のシークエンスが鳴り響く瞬間は、生でなくても鳥肌が立つ。虐げられた者達のためのダンス・ミュージックの”すべて”があるから。

そのダンス・ミュージックの”すべて”とは何なんだろうか?
そのヒントは「Born Slippy」にあると思う。

膨れ上がった負債で死にかけた国家に生きる、未来を奪われて夢も希望もない、ドラッグとアルコールとセックスに逃げるだけの若者の終わりなき日常。そんな、なんて悲観的なリリックと、

唯一、夢と希望を見させてくれる快楽と反抗の政治学を抱え込んだシークエンスとパーカッションとビートとリズム。そんな、なんて多幸的なダンス・ミュージック。

その2つを併せ持つ「Born Slippy」こそが、答えなのかもしれない。

同じく若者の終わりなき日常を描いた映画「Trainspotting」に「Born Slippy」が使われる救いようのない、だけど希望のあるリアリティ。
http://jp.youtube.com/watch?v=tvs1NtEUsZM
(「Born Slippy」がかかるトレスポのエンディングです。興味ある人はぜひ。)

若者が支持したこの「リアル」なリアリズムを鳴り響かせたUnderworldは、そう観点からダンス・ミュージックの”すべて”を教えてくれるような気がしてならない。

で、その「Trainspotting」的日常が10年遅れで日本にも現れてきた。生活のためだけに生活する労働者や、働けば働くだけ豊かにはならないワーキング・プアや、あるべきものがもはやなくなったロスト・ジェネレーション。日本の若者は、今まさに「Trainspotting」なのだろう。

だから、夢や希望を見させてくれる奇跡のダンス共同体Underworldが、新作も発表してライブを開催してくれのが、心底嬉しいのである。

おっと、脱線しつつある。まあ、こんなことはどーでもいいので、当日はサタデーナイトフィーバーするとしよう。
興味のある方はUnderworldのビデオクリップ集をどうぞ。
http://vids.myspace.com/index.cfm?fuseaction=vids.viewVideos&channelid=5550345