『ブルータス・大友克洋特集』

http://www.brutusonline.com/brutus/issue/
マガジンハウス(アンアン等)の企画戦略はいかにも資本主義的な胡散臭さがプンプンするので好きではない。
そのマガジンハウス出身のブルータスを一応毎号チェックするが、いつも「あ〜そ〜ですか」で終わる。
しかし今号、大友克洋の特集が。そして新作も読めるのである。刮目して凝視して読み終える。
資本主義の指針である「付加価値の追求」の「価値」がイコール「無意味」と置き換えられるアイロニー
その「価値」にあえて戯れるのか?それとも壊すのか?というどっち付かずのアポリア
そんな世界観を描ききった大友作品をほとんど読んできたが、『スチームボーイ』以降、少し変わって来た気が。
「僕は未来をあきらめない」と言うキャッチフレーズが匂わすように、「戯れ」とも「壊す」とも違う第3の道を模索している気がする。
多分、オダギリ主演の実写映画「蟲師」もそうだろう。で、このブルータス掲載の短編漫画もその匂いがする。
資本主義の象徴に位置する雑誌のど真ん中で、資本主義の行く末を模索している大友克洋
やっぱり漫画界のカリスマなんだなとつくづく思う。模索する人には「目に見えない=蟲」を感じる。強引なオチ・・・。