『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね/岡崎京子』

http://www1.e-hon.ne.jp/content/photo_4582832121_01.html

■僕の盟友にこの本とその他諸々をプレゼントとして送る。さて、向こうは何を送ってくれたのか楽しみである。

岡崎京子。エロ雑誌から出発し80代年後半〜90代前半というドラスティックな時代を不慮の事故が起きるまで描き続けた漫画家。

岡崎京子を読んで岡崎京子の世界を描く「ポスト岡崎」には到底追いつけない世界観がある。

■「恋愛」や「仕事」や「夜遊び」という「お祭り」の後の「アイロニー」や「リグレット」を描き切る視座に感嘆する。

■それを描ききれない「アイロニー」や「リグレット」からも解放された時代に移ろって早10年ぐらい。

■つまり「日常の祝祭化=お祭りブーム」(鈴木謙介)が目立ち、ベタに盛り上がるネタだけを追求して自己言及を無くした時代。

■この時代タフで合理的な人が多いけど深さがない。そういう意味では岡崎漫画の登場人物は人間臭くて深い。

■でもそんな人あんまりいないんだな、最近。後者にこそ気が向く僕は、強引に路線変更OR首長く停車中。

■賽は投げられた。ローリングストーン。あ、この本の帯のよしもとばななのコメントは玉石混淆の玉です。