『生き延びるためのラカン/斉藤環(2006)』

http://www.basilico.co.jp/book/books/4862380069.html
久方振りに仕事関係以外の本を読了した。それがこのラカン解説書にして精神分析入門書。著者曰く「世界一分かりやすいラカン入門」なので、語り口調とイメージしやすい例えで難しくはない。
「心の闇」を詮索するヒマがあったらラカンを読め! そうすれば世界の見方が変わってくる。と書いてありましたが、まあその通りかなと。自意識過剰な「心の闇」ほど陳腐で浅薄であると喝破。
心の闇はどこからやってきて、それは何であるか?ていうか、その闇ってそもそも本当に闇なの?みたいな反問の思考体系を提示してくれる。そういう体系を理論武装して納得さしていくのが、多分に精神分析なんでしょう。
だから納得しました。自己マトリックス化が一番怖いことを。
「私って・・・」、「私って・・・」、「私って・・・」と私という仮想現実を私が無意識に作り出していること。
つまりそのヴァーチャルリアリティをリアルに受け取ってしまう。これじゃ重たい「だけ」の精神患いを起こしまっせと。
だからラカン先生はリアルよりリアリティを持てと。さすれば「だけ」は除けると。その本質の詳しくは本書で・・・。