「Unlimited:COMME des GARCONS/清水早苗&NHK(2005)」

株式会社コム・デ・ギャルソンを、設立者川久保怜の言葉、ギャルソンで働くパタンナーやデザイナーの言葉、ゆかりの人々の言葉と、ショーや社内の写真などで編集した本。
やはりコム・デ・ギャルソンを表す言葉は、「革新的」や「非主流」が多かった。それは川久保の「洋服」だけでなく「会社」をクリエイションしていく姿勢への賛美の言葉だと思う。
それぐらい「革新的」で「非主流」を貫くのは難しいということ。川久保怜とコム デ ギャルソンを創る人々の「覚悟」が分かる本。
それだけ。で、これを読んでいて思い出したのが、埴谷雄高吉本隆明が繰り広げた「コム デ ギャルソン論争」。
「コム デ ギャルソン」を纏って「anan」に登場した吉本隆明を「ぼったくり商品を着て資本主義よろしく雑誌に載るとは何事か!」と埴谷雄高が怒ったというお話し。
これはファッションに限らず「消費の自己実現」がマルかバツということ、だと思うが、僕は条件付きでマルです。
「お金を掛けて着飾ったものを剥ぎ取ったときに、着ていた自分が薄っぺらくなければいいでしょ。」
仰る通りです、姉御! 自戒を忘れないようにします!!