『見えないドアと鶴の空/白石一文 』

世に言う不運な人,幸運な人というのも,要するにそうした運を自らが招来しているだけなのではないだろうか。人を愛する人は人に愛され,人を尊重する人は人に尊重される。人を疑う人は人に疑われ,人を憎む人は人に憎まれる。−−−

−−−人は憎むのではなく,憎み合うのだ。人は愛するのではなく,愛し合うのだ。そうやって「合う」ことこそが愛と憎しみの本体に他ならない。