『キトキト!』

travelation2007-04-01

http://www.kitokito-movie.com/
家族を愛する母を置いて、田舎(富山県高岡市)から逃れたい一心で東京(新宿歌舞伎町)へやってきた少年が主人公。
「家族愛」ゆえに「反発→混乱→和解」という定番モチーフ。「自分探し」ゆえに「離陸→旋回→着陸」という定番モチーフ。
このモチーフが、ベタ(定番)に感動フックとして機能。しかも文化庁推薦なのでベタ(定番)なオチまでご用意。
なので「感動」するわけだが「いい話でしたね」だけで終わる。そんなオチ(理想)を与えられても、ベタ(現実)ではない。
ベタ(現実)が変容していくネタ(手段)を提示出来ていない。思考のフックが足りない。涙流して気持ち良くなるだけ。
古き良き「家族像」など崩壊したのに、それにまだすがるより、地方と都市の「流動性」格差にスポットを当てるより、これからの「家族像」や「人との繋がり」を提示するほうが、建設的であると同時にベタ(現実)を知ることが出来ると思う。
そういう意味ではミスチル新作「HOME」が気になる。特に「彩り」のPVは逸品。このオチ(理想)こそベタ(現実)。