『寺山修二少女詩集/寺山修司(1981)』

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4041315271.html
元旦に寺山修司の初長編映画である『書を捨てよ、町へ出よう』を鑑賞した。現在では決して生まれない濃密さがあった。
この詩集もやはり濃密。ベタな表現かなと思いきや、徹底的に「アイロニカル」で「承認」などなく「自由と不自由」を行き来する濃密な表現。
時代時代の表現の仕方があるので一概には言えないが、映画も音楽も漫画もアイロニーもなく認め合って自由だけ 表現が目立つ。いわく「セカイ系」。別に悪くはない。しかし、寺山的な「これでいいのか?」ではなく「それでいいんだよ」というメッセージ性が昨今の流行だとしたら、なんとまあ批評性のなくなった時代になったんだなと、この詩集が発表された1981年生まれの僕は思うのです。
サブカルが寺山的な表現である時は社会は混乱していて、逆にそうではない時は社会は安定しているというのが、歴史的な事実だとしたら、余計にそう思うのです。
そして、今まさにストリートにこそ語る言葉があることを、寺山修司の夜光る言葉を通して思うわけです。
書を捨て、町に出る。Usohappyaku(by 寺山修司)